昔遊んだ幼馴染との偶然の再会

ひょんなところで、ばったりと再会することもあるものです。
私が出会ったその人は、家が近所で子供の頃からしょっちゅう一緒に遊んでいた女性でした。
昔から大変面倒見の良い姉御肌の女性で、二つ年上。


そんな彼女を、私はとても慕っていました。
彼女の家はとても居心地が良くて、一緒にいる時間は本当に楽しいものでした。
子供の頃の私は実家が嫌いでいつも帰りたくなくて、彼女の家で時間が過ぎるのをいつも惜しんでいたことを覚えています。

彼女は勉強もスポーツも得意で、その上美人でしたから、男性からも女性からも好かれる人だったと思います。
しかし、その分敵も非常に多かったようです。
それでも負けることなく凛としていて、頼りがいのある人でした。

そんな友人と久々に出会った時、私はショックを受けていました。
昔の貫録も自信も消えていて、弱々しくなっていたのです。
それに何より、服装に驚きました。
あんなにお洒落で美しかったのに、時代遅れのスーツを着ています。

今どき肩パットの入ったスーツなど売っていませんが、友達のスーツにはしっかりと肩パットが入っていました。
聞くところによると、たくさん苦労があったとのこと。
この20年余りの間に、人生の過酷な試練に何度も耐えて来たようなのです。

こんな時、どんな言葉をかけたら良いのか迷うものです。
何を言ったところで、他人事に聞こえてしまうことを知っているからです。
結局軽い会話を少ししただけで、連絡先を訊くこともなく別れることになりました。
もっと気の利いた言葉の一つでも言ってあげられたら良かったと、今更とても後悔しているのです。

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